無事日記

本や映画や芝居やそこらへんの雑記です。

新年工場見学会2018

新年工場見学会2018を見た。

五反田団の方の「ドラマえもん」。天草四郎をやっていた方が、なんというか、絶妙で、笑わせていただいた。漂っている学生演劇感というか、主人公だからかっこつけてる感じというか、かっこつけてるけどそれと不釣り合いな無防備な身体に、感じる切なさに笑った。発声の感じとかも、どこか繊細さに欠ける力強さが切なかったです。

ハイバイの方は「城山羊の会か別役実のニセモノ」とありました。別役さんは現実の日常的な舞台で登場人物がこの現実世界と少しズレているという場合が多いですが、今回のハイバイでは、未来を想像させるような、現実とズレた舞台でその世界での普通の人達が登場人物だったように感じました。なので、別役作品というよりかは、安部公房筒井康隆の雰囲気に近く感じました。

特別な説明がなく、今ではないどこかの世界かなというだけで会話が進んでいくのですが、流石といいますか、そこにいる人間と人間の間の空気の普遍性というか、そこのリアリティを立ち上げてくれてとても面白かったです。

この、SF要素が少し入ってる感じはすごく好きで、本公演でもこの基軸でやっていただいたものも見てみたいなと思いました。

現実と地続きなところで、より遠く深くそして最後には近いところに連れて行ってくれるハイバイですが、今回みたいに土台から別世界へと連れていってくれて、遠くから気がついたら元の場所に戻っていたという、SFの良作を見たときの感覚がありました。

これを本公演でも見てみたい。ハイバイの遊び心とリアリティをふんだんに使った劇をいつか見れるのかなと楽しみに待つことにします。